スタートアップが知っておくべき知財のこと

ここではスタートアップが最低限知っておくべき知財の価値、そして価値の高い知財を取得するための戦略を紹介します。

具体的な手続きや知財に関する詳細な知識は説明していません。このページに一通り目を通すことで、知財が如何にスタートアップにとって重要か認識していただければ幸いです。

スタートアップこそ知財が必要な理由

スタートアップはその構造上、常に成長が求められます。小さい時期は周りもそこまで競合に思わないでしょう。しかし大きくなるにつれ、競合とみなす企業の数や規模は大きくなってきます。そこでリスクであり、武器にもなるのが「知財」なのです。

適切な知財を保持していなければ、成長が止まったり、最悪事業を諦めることになります。一方、適切な知財を持っていれば、相手とクロスライセンスを結ぶなどして、さらに事業を広げていくこともできます。

ある段階から「知財について考えよう」というタイミングはありません。なるべく早い段階から知財戦略に取り組み、適切な知財ポートフォリオを用意しておくことが成長を止めずに、大きく飛躍するのに欠かせないことなのです。

知財の4の役割

知財の役割は他社から訴えられないという役割だけではありません。それ自体で価値を生む役割も持っています。知財の役割と価値を正しく理解し、活用することで事業を飛躍的に成長させることができます。

防衛としての役割

自社のコア技術を他社から攻撃されないために必要です。それだけでなく、将来必要になるであろう技術も他社に奪われないために必要な知財となります。

収益源としての役割

有効な技術は他社にとっても魅力的なものです。ライセンス提供により知財自体で収益をあげられます。

企業価値を高める役割

知財は企業の資産です。投資家にとってプラスの判断材料となります。

クロスライセンスの役割

クロスライセンスにより他社の技術を使えるようになれば、単独では難しかった技術や製品も作り出せるようになります。

特許1件の獲得にかかる手続きと費用

特許1件の登録までに約1年半、費用は100万円弱かかります。

特許の出願、取得にかかる費用は大きく、手続きでかかる特許事務所に払う費用と特許庁への納付などにかかる2つに分類されます。特許庁への費用は概ね固定ですが、手続き費用は特許の内容等によって異なってきます。ここでは一般的なケースの流れと費用を紹介しています。

一般的な特許手続きとその場合の費用の流れ

知財戦略が必要な理由

コア技術だけの特許には価値はない。

事業のコアとなる技術だけ特許を取得しておけば十分だろう

と考えている方も多いのではないでしょうか?

この考えは大いに間違っています。
コア技術の特許だけを保持しているのは、一見、以下のように万全に見えるかもしれません。

しかし、現実は異なります。実際は以下のような状態と言えます。
コア特許だけで、すべてを守れる訳ではありません。

知財は単体ではなく、組み合わせることで価値が飛躍的に増大するものです。
そのため、資金力のある大企業であればあるほど多くの知財を保持しているのが一般的です。

数が必要なのはわかったが、その分費用もかかる。資金的な余裕はない。
必要十分な知財をどのように取ればいいのだろうか。

必要十分な数で最も価値が高い組み合わせになるように戦略的に特許を出願、保持することが必要です。そのためには、事業に沿った知財戦略を立案、実施することが重要です。

コア技術以外にも様々な特許を保持することで、上記のように堅牢な特許ポートフォリオを構築できます。

では、次にどのようにして堅牢な特許ポートフォリオを構築していけばよいのか説明していきます。

特許の種類

特許といっても様々目的で出願、保持する必要があります。一番重要なのは自社のコア技術のための特許ですが、それ以外にも以下のような特許を揃えておくことで、コア技術の価値、企業の価値が格段にアップします。

改良技術の特許

コア技術をもとに性能、能力を改良した技術に対する特許

先取技術の特許

将来実現しそうな技術を数年先の技術を予測した特許

周辺技術の特許

コア技術の周辺に位置する技術に関する特許

代替技術の特許

コア技術のアイデアを別の技術で実現した技術に関する特許

待ち伏せ技術の特許

競合が得意とする技術から推測した特許

注: 上記の種類の定義は DiPL で独自に定義したものです。特許庁等で定義されているものではありません。

知財戦略

ポートフォリオマップで見る優れた特許ポートフォリオ

上で見た様に有益で価値の高い知財を保持するには様々な知財を組み合わせることが重要です。優れた知財ポートフォリオを構築できると防御/攻め/価値が格段にアップします。

そして、ポートフォリオの構築に役立つのツールがポートフォリオマップです。下記で紹介するのポートフォリオマップでは横軸に「自社防衛」「他社牽制」、縦軸に「権利範囲が広い」「権利範囲が狭い」を取っています。それぞれ強みと弱みがあります。バランス良く様々な種類の特許を取得することが優れたポートフォリオです。優れたポートフォリオの一例を以下に示します。

価値の高いポートフォリオの例

ポートフォリオマップの見方

軸ごとにそれぞれの強みと弱みを紹介します。ポートフォリオマップを使って、現状の知財の強み、弱みを把握し、今後の知財で強化する部分の参考にしてください。

スタートアップの知財そして知財戦略は DRONE iPLAB がサポートします

簡単ではありますが、知財そして知財戦略の重要性を説明してきました。少しでも、その価値と重要性を理解いただければ幸いです。

最初にも述べたように、知財そして知財戦略は早い段階から取り入れるべき価値のあるものです。しかし、スタートアップにはそれだけの時間、人、お金がないことが多いでしょう。

そこで Drone Fund 出資の企業様には戦略、手続き、費用負担など知財に関するあらゆる面を DRONE iPLAB がサポートします。

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